「TAKAO AI株式会社」を設立しました!
プレスリリース
公開日: 2021年01月14日(木)
東京高専発のベンチャー企業 「TAKAO AI 株式会社」 を設立いたしました。 弊社は、視覚障害者が持つ、情報アクセスの課題を解決するための自動点字翻訳システム開発を設立のきっかけとしており、社会における様々な情報アクセスへの壁を解決することを目的とした会社です。
会社名 | TAKAO AI 株式会社 |
代表者 | 代表取締役 板橋 竜太 |
所在地 | 東京都八王子市椚田町1220-2 東京高専コラボレーションコモンズ 2階 |
資本金 | 1,000,000 円 |
登記申請日 | 2021年2月25日 |
2019年、「全国高専プログラミングコンテスト」の課題部門に出場する作品として、弊社の開発するシステム「てんどっく」の初期プロトタイプを作成しました。当システムは視覚障害者が身の回りの様々な印刷物を自動で点字に変換できるシステムで、当コンテストにおいて最優秀賞・文部科学大臣賞を受賞しました。その後、ディープラーニングを用いてシステムを改良し「DCON 2020」に出場、こちらでも最優秀賞に表彰されたことで起業資金を頂き、これがてんどっくの本格的な事業化への架け橋となりました。
コンテスト等で評価いただく一方で、システム開発にご協力いただいた視覚障害を持つ方からもシステムに対する高評価を頂いており、視覚障害者の後押しもあり、今回起業・事業化を行う運びとなりました。
弊社の提供する最初のサービスとして、タブレット/スマートフォンで印刷物を撮影することで、全自動で点字ディスプレイに文書内容を出力できるシステムを提供します。
現代社会において、視覚障害者に対する情報提供には多くの課題があります。視覚障碍者が印刷物を読むためには点字化された文書が必要ですが、点字で提供されている印刷物はごくわずかです。
これは点訳作業を手作業によって行うことによる時間的・金銭的コストが原因です。そこで、タブレットやスマートフォン、そして点字ディスプレイだけで簡易的な自動点訳が可能な当システムによって、点訳をより手軽なもの、視覚障害者が自ら出来るようなものにし、視覚障害者と健常者との間にある情報アクセシビリティの壁を打ち壊していきます。
現在の技術では、印刷物の持つ情報を完全に点字に変換することは困難です。一般に、印刷物はレイアウトや文字の色、フォントなどに様々な情報が埋め込まれています。これらの情報は点訳の際に失われてしまい、ただ文字列だけが点字となって伝わってしまいます。
そこで、私たちはディープラーニングを活用して、文書のレイアウトや色、図や表の内容も含め、すべての情報を点字の文章に表現できる点訳エンジンの開発を進めています。開発には多くのデータと時間が必要ですが、その社会的意義は非常に大きいと考えております。
また、この点訳エンジンを実用化するためには、開発段階からできる限り多くのデータを収集する必要があるため、様々な公共施設・店舗等からの受託開発等を受け入れ、可能な限りフレキシブルな形で社会への導入を進めていきたいと考えております。
この点字翻訳システムをはじめとして、情報アクセシビリティの壁を無くしていくため、最新のIT・ディープラーニング技術や、独自のハードウェアをも活用したサービス・体験を提供できるよう、今後の会社運営・技術開発に積極的に取り組んで参ります。
今後とも、ご支援の程を心よりよろしくお願い申し上げます。